月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

日曜日にサイゼリアに行った話

サイゼリアという店がある。


言わずとしれたファミレスである。その実、中に入れば子連れの主婦や暇を持て余した大学生の天下となっており、平日だろうと休日だろうと笑い声が絶えない。結構なことであるが、我々背広組としては、若干の居心地の悪さを感じずにはいられない。

びっくりするのは割とカップルがデートに使っているという点である。私の偏見で申し訳ないのだが、デートというものはもうちょっとこう、頑張った場所に行くものではなかろうか。インスタ映えするカフェとか、夜景のきれいなレストランとか。地下に存在する夜景もクソもないファミレスで、ミラノ風ドリアをつつきあうのが最近のトレンドだというのか。どっちかと言うとメロドラマと言うよりは一杯のかけそばの世界観に近くなってきている気がしないでもない。

少なくとも私は学生の時分にデートでファミレスに入って相手の女性に帰られたことがある。別にそれが原因で別れたりなどということはなかった(と思いたい)のだが、分かれる原因の不満の積み重ねの一つであろうことは想像に難くない。

とまあ、そんなありふれた日常が広がっているサイゼリアなのだが、なぜ突然サイゼリアの話を切り出したかといわれれば、「サイゼリアで酒が飲める」ということを発見してしまったが所以である。

もったいぶった言い方をしたが、実際はそんなことはずいぶん前から気づいていた。というか、ファミレスに入ってメニューに酒がないというのもなかなかに不自然だし、飲もうと思ったら割とどこだって飲めるのではあるが、「お酒を飲みに」ファミレスに行くことが普通の人はないのだと思う。少なくとも私はなかった。

せいぜいが「食事をメインに少しだけ飲みたい」という需要を満たすべく置かれている酒達だと思っていたのだが、ちょっと待って欲しい。それにしちゃあラインナップが豊富ではないか。

まさに世紀の大発見である。

ガストなんかはオールラウンダーで、ビール焼酎日本酒ワインと一通り揃っているし、今回話題に出しているサイゼリアはさすがイタリアンレストランと語るだけあって、ワインの品揃えがすごい。そりゃまあ、ワインバーなんかに比べればそんなでもないが、グランドメニューのボトルワインで7種類、それにハウスワインや食後酒まで揃えているとなれば、十分すぎるほどである。

それに何より値段が安い。とにかく安い。原価率とか本当に計算しているんだろうかと心配になるレベルの安さである。ワイン1杯100円、ボトルで出てくる1.5Lのワインは1,000円である。まさか100ml単位で100円を切る酒が外食にあるとは思わなかった。どうなってるんだここは。

しかも普通に飲める。そりゃ、もっと美味しいワインは世の中にゴロゴロあるだろうが、もっと不味いワインだってゴロゴロある。30そこらのペーペーがワインの何を語るかという話ではあるが、あえて言おう、ペーペーが飲むためのワインであると。だって安いんだもの。

料理だって美味いし安い。お前これ飲みに行かない理由がどこにあるんだと先輩からさんざん煽られ、ついにこの間友人と始めて飲みに行ったので、その詳細を記しておきたい。


まず第一に偉大な点。それは、「いつであろうと飲める」という点である。

休みの日に酒クズと化すと、いついかなる時だろうと「あ、今飲みたいな」という感情が芽生える。夕方ぐらいにその感情が発生すると、普通に居酒屋に行けばいいのだが、昼下がりに発生した場合は至極厄介である。なにせ店が開いていないのだ。

これはなかなか深刻な問題である。流石にコンビニの前にたむろして缶ビール、とはできない。吉野家や定食屋といった店に酒はあるが、あそこはどうやったって食事をする場所であり、客はおろか店員にすら白い目で見られる可能性が高い。というかつまみが心もとない。ついでにいうと高くつく。さぁどうする。

そういった場合に、何の躊躇もなく、「ファミレスいきゃいいじゃん」とできるのは明確な強みである。

第二に偉大な点。やはり言わずもがな値段であろう。

今回二人で飲んだオーダー
・スープ入りトマト味ボンゴレ 499円
・デミグラスソースのハンバーグ 499円
・焼き肉とハンバーグの盛り合わせ 599円
・パンチェッタのピザ 399円
・野菜ソースのグリルソーセージ 399円
・チョリソー 399円
・シェフサラダ 299円

明らかに食べ過ぎである。が、合計しても3000円ちょっとである。おかしい。(褒めてる)

これにビールとワインを追加したところで、どうやっても一人3000円は行かない。腹一杯でへべれけになってこれである。まったく楽園と言って差し支えないのではないか。

他メニューもまだまだつまみに向くものは数多くあるし、大人数で行けば行くほど、いろいろな料理をシェアできる。良さ。

料理の詳細を書き出すと孤独のグルメみたいになって来ちゃうし、今現在進行系でお腹が減っているので割愛。

また行きたいなぁ…(多分またすぐ行く)