月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

「た、食べてみる…?」としか言えませんでした

あるイベントで「ペットと一緒に食べられる食事」というものを知った。そのイベントで取り上げられていたのは犬用のビーフジャーキーだったが、調べてみれば色々とあるようだ。


考えてみれば、別に普通のペットフードを食べたところで死にはしないだろう。原材料に人間が食べられないものがはいっていない以上、味はともかくとしてそれを口にすることで死に至るわけはないのだ。

…言い過ぎた。世の中にはメシマズという概念があり、食用可能な物質から食用不可能なマテリアルを産み出す存在が居る。確かに存在する。人類の叡智である炎を操り、料理に化学式を応用し、電子レンジを時限爆弾にするその能力は、今思い出しても身震いする。炭化した肉を「タンパク質と酸素を化合させただけで毒になるわけ無いでしょ」と言い放ったその姿は、今でも目蓋に焼き付いている。

だが、市販されているそれにおいて、まさかそんなミラクルは起きていないだろう。その実、真空パックされたささみ肉などは普通に美味しそうであるし、賞味期限内であれば食用することに問題はない。「ペットと一緒に食べられる」といううたい文句がわざわざある以上、通常のペットフードを食べるのはあまりおすすめされないのだろうが、その昔ひもじすぎて猫缶をつまんだ時は、普通に美味しかった。人間としての尊厳は飢えの前には無力であった。

そう、「ペットと一緒に食べられる」ものならば、人間の尊厳を損なわずして、ペットフードを食用することができる。なかなかな発明であると言えよう。

焼肉に、フレンチに、果てはスイーツまでも完備しているこのペットフード業界には、若干の人間のエゴを感じないでもないが、目で見て楽しく、ペットとともに楽しい時間を過ごせるのであればそれが一番だろう。

ここまで書いて、「こりゃ実際に食べてみないといけないな」と思い、コンビニに走り、「ワンちゃんまっしぐら」と書かれたササミジャーキーを食べた所、普通に美味しかったことを記しておく。

そして、ついでに、その姿を後輩の女子社員に見られてドン引きされたことを追記しておく。