月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

栄養のあるものの話

世間一般で言う、「栄養のあるもの」とは一体何なのか。


一人暮らしを初めて結構経つが、未だに「栄養」の概念がわからない。小学校・中学校時代の家庭科では、類まれなる料理スキルを発揮していながら、座学はさっぱりだったため、たんぱく質や脂肪、ミネラルなどの単語を聞いても「???」と頭にクエスチョンマークが浮かぶ。

ちなみに、料理のスキルが高かったのは、田舎で寿司屋というか小料理屋をやっていた祖父に「料理ができればモテる」と吹き込まれ、夏休み中泊まり込みで店を手伝った過去があるからだ。未だにまったくもってモテていない事実を鑑みると、あれは単純に労働力が欲しかっただけなんじゃないかと、20年経った今気がつき始めている。

そんな状態だから、所謂、教科書的な料理の上達方法は真っ向から無視している。知識的な免が欠落し、技術や経験だけで料理している私は、味付けに全くもって健康が考えられていないし、ワンパターンな味付けしか出来ない。ちなみに、一般的な和食は作れるが洋食はダメだ。センスの問題なのだろう。

ドバドバと醤油を使う、所謂「酒のあてになる料理」にはそれなりの自信があるが、これが「栄養のある料理」ひいては「健康的な料理」ではないのは明白だ。それくらいは私でも分かる。

では、「栄養のあるもの」とは一体何なのか。私はこれを早急に定義しなければならない。何故なら、母親から「栄養のあるものちゃんととらないと○す」という、非常に短絡的、非常にラジカル、非常に本末転倒なメールが届いたからだ。貴女は私をどうしたいのか。「不摂生で死ぬぐらいならいっそこの手で…!」とかなってるのか。

そこで、友人に聞いた所、栄養のあるものとは、すなわち旬の食材なのではないか、とのことだ。

なるほど、今でこそビニールハウスや栽培法の発達で年から年中食材には困らないが、確かに旬の食べ物は普段に比べて栄養が豊富だろう。しかも、値段が安くなる。年中課金貧乏をやっている身としては、ありがたい話である。…この事実が親のもとに晒されれば、その時点で私の命が危険にさらされる気もするが。

とにかく旬のものだ。良いことを聞いた。

というわけで秋の旬の食材。それは何と言っても茄子である。

紫の宝石と言われるだけあって、様々な調理法がある。焼き茄子、揚げ茄子もいいが、居酒屋メニュー感が拭えない。浅漬けにしたら完全に手抜きをしていると思われる。というわけで、今回は麻婆茄子を調理。ありがとうCook Do。主婦だけでなく一人暮らしの味方だよ!

短調味料の仕様によって難なく麻婆茄子を作り上げ、料理の写真を取ってお手軽送信。いい時代である。写真というこれ以上ない説得力の媒体を使うことで、母も文句は出ないだろう。これで私の命も保証された。麻婆茄子も美味いし、一件落着である。

と思った矢先。

「茄子は栄養が少ないじゃない」
「しかもそれを麻婆茄子に?」
「恐ろしいほど油を吸うのに?」
「不健康極まりない」

…神よ…。

というわけで、そのうちやられると思う。

皆様、お達者で。

 

※書いている中で調べたら、茄子にもちゃんと栄養はあるそうです。納得いかない。