月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

知識をつけるには興味からという話

だがしかし、という漫画がある。少し前にアニメにもなった、駄菓子を題材にした漫画である。


私はいまだに駄菓子が好きで、よくスーパーのお菓子売り場で子供に混じって大人気なく駄菓子を品定めしている。はたから見れば相当痛い大人ではあるが、好きなものは好きなのだ。しょうがない。正当化の仕方がまんま子供である。

昔、うまい棒を360本食べるというアホみたいな企画を別にメディアに載せるわけでもなくただただ自分がやってみたいからという理由で敢行して、しばらくうまい棒を見るのも嫌だったのだが、少ししたら自然に買っていた。明らかに中毒症状である。つまりまあそれくらい好きだ。

そんな自分にとって、この漫画は自分の好きなものをこれでもかと強調して紹介してくれる。登場人物が語るそのお菓子の魅力に、「ああそうだよな、そこがいいんだよな」と共感してしまう。時には自分の知らなかった遊び方や食べ方、そのお菓子の歴史なんかも知ることができて、まさに「教科書」というにふさわしい出来になっている。

そう、漫画を教科書として捉えることは、何も間違っていないのだ。まぁ、この漫画で直接的に知ることができるのは、駄菓子の知識であり、雑学レベルじゃん、と言われればそれまでなのだろうが。

もっと直接的に日本の歴史を漫画にしたものだっていくつも出版されている。学校の図書館にも「日本の歴史を取り扱っているから」という理由で置かれていた。漫画なのに。字は多くて登場人物の緻密な心情描写やストーリーなんて無いも同然だったが、それでも子供の時分には「漫画だから」という理由で読みふけっていた。決してちょっとエッチな描写があるからではない。多分。

結果として、日本の歴史に興味を持つ入口となったのはその漫画、という人も多いだろう。別に製作者とて、漫画で全部を伝えようとは思っていないだろう。少しでも興味を持ってもらえれば、という思いで(狙いで?)作成しているはずだ。漫画で興味を持って、自分で他の専門書を読んで勉強していく。

それこそが正しい勉強の仕方、知識の付け方だと思うのだ。自分が知りたいと思うことこそが知識の源泉であり、原点である。自発的、能動的な知識欲は、勉強効率を飛躍的に上げる。

必要最低限の知識はともかくとして、それ以上のものは、興味によるべきだと、思うのだ。

「…で、駄菓子についての思いが溢れすぎて、周囲に引かれた弁明は以上か?」

以上です。

飲みの席でうまい棒についての大論説をかまして、周囲からの視線がなんとも言えないものになってしまった男が、そこにいた。