月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

朝帰りの裏に隠された真実を突き止める話

Dreams Come Trueである。夢は必ず来るのである。違う。歌手の話だ。


私の世代からは若干外れている、というより、私の少年・青年時代は音楽と無縁であった為、知識が一般人に比べれば乏しいので、まったく当てにはならないのだが。それでも、音楽知識が乏しいと自覚している自分ですら知っている有名アーティストである。流石に知らない人はいないであろう。

私の親がファンであり、小さいころに車で出かけるとカーステレオで必ずかかっていた記憶がある。親父殿は酔っ払うと、ところどころキーの外れた決戦は金曜日を鼻歌で歌う。思えば、それで知っていたのかもしれない。

先日、夜中に唐突にドリカムが聞きたくなり、レンタルショップに走った。昨今では、ダウンロード販売とやらもあるのだろうが、自分が聞きたい曲が何かすら思い出せない状態で手当り次第買うのは非常に財布に優しくない。1曲250円て高すぎないか。古い歌手のベストアルバムなら1週間レンタルできるぞ。もうその考え方が古い。

とにかく、深夜に自転車で向かったレンタルショップで借りてきて、懐かしい曲を堪能していたのだが、その中でふと気になったことがある。

朝帰りか、これ?

「うれしはずかし朝帰り」という曲だ。メロディラインはかなり好きな方で、今も昔も特に疑問なく歌詞を口ずさんでいたのだが、ふと歌詞カードを確認してみた。やっぱり、これを朝帰りと定義していいのか?

そう、歌われているのはほぼ昼なのだ。おそらく10~11時頃。開店直前やら、短い影やら、朝帰りという割にはのんびりし過ぎじゃないのだろうか。年齢は分からないが、この油断しっぷりはヘタしたら未成年の可能性すらある。

「イヤ、それは穿った見方をしすぎでしょ」
「でも、一角の社会人がそんな油断するか? どこで見られてるかわからない、普通始発で帰るだろ」
「始発は言いすぎかもしれないけど…、でも電車に乗るのが昼過ぎってことはないよね。昼過ぎまで学校や会社がないって考えると休日のはずだし、ラッシュを避けたってこともなさそう。寝坊した?」
「いやここ、ここ見て。『ちょっとむくんだまぶた』ってあるじゃん。完全に寝不足じゃん! 寝坊してないよ!」
「うーん…メイクで隠せないレベルってことは、そうなんかな」
「だろ。これ未成年説有力じゃない!?」
「…なんでそんな力いっぱい目を輝かせてるの…?」

若干引かれながらも女性の意見もいただくことが出来た。これで裏付けはバッチリである。

というわけで、以後、私の中でこの曲は、『女子高生が突発的な理由で朝帰りというか昼帰りしちゃった歌』ということで定義されましたので、ご確認の程をよろしくお願いいたします。


ここまで書いて、我に返る。何を力いっぱい主張しているのだろう、私は。

寝不足とは、かくも恐ろしいものである。