月刊ハコメガネマガジン

好物はカレー。

甘いモノと安売りと女の子の話

先日、仕事帰りに街をぶらついていたら、工場直販のアウトレットセールをしていた。

要するに規格外品を安売りする屋台である。人だかりができていたのでなんだだなんだと興味本位に覗いてみたら、やっていた。野次馬根性がプラスの方向に働いた珍しいケースである。

ところで、今回直販をしていたのは、スティックスイーツファクトリー。明らかに一口で食べられるであろうケーキをコーヒーとお茶を飲みながらちょっとづつ食べるアレである。何度か店舗に行ったことがあるが、アレとコレとソレと、と調子に乗ってオーダーしたら同行人が呆れていた。レジのお姉さんも若干引きつった顔をしていたのが納得行かない。同行人はともかく、レジのお姉さんは上客であると崇め奉るべきではないだろうか。安めのケーキを選んでいたのがいけなかったのかと後で聞いたら「そういう問題じゃない」と憮然とした態度で言われた。ここも納得いかない。

まぁ、そんな瑣末なことを思い出しながら、商品を見ていたのだが、さすがアウトレット。ダンボールどーん、商品山積みどーん、焼き菓子どれでも10個で800円どーん、とスイーツを売るものにあるまじき大雑把さであった。その山積みの仕草たるや、先に上げた私のアレとコレとソレに通じるものがある。

わかってない。このディスプレイをした人間はわかっていない。消費者のマーケティングとターゲッティングというものがてんでわかっていない。その点私は完璧である。なにせコーヒーを傾けながら真正面に顔を見据えられての「そういう問題じゃない」「だからあんたはダメなんだ」の2コンボで心をへし折られている。そこからちゃんと学んでいる。僕偉い。

女子の皆様方が求めているのは、そういう感じじゃない。スイーツたるもの、甘けりゃいいってもんじゃ無い。それなら角砂糖を蟻さんのごとく舐めてればいいだけの話である。じゃあ何か、何が必要か。それはディスプレイである。甘さと同居する可憐さ、可愛さ、そして美しさ、そういった要素が必要なのである。

野郎の大食い大会じゃないんだからこんな山積みで10個800円どーん!なんて言ってるものが売れるわけが

まー売れるよね。

店員さんの怒号が飛び交い、空になったダンボールが投げ飛ばされ、商品が宙に舞いお札が宙に舞う。

バーゲン会場でももうちょっと理性のある行動をしていると思う。あーあー商品がへしゃげて…って元々アウトレットだからいいのか。いや良い訳はないが大きな問題にはならないのか。

安けりゃなんだっていいのだ。バカボンの声で私の中で誰かが言う。


女の子って難しい。